関節リウマチのリハビリ

2015/01/18

 関節リウマチとは関節内に存在する滑膜という組織が異常増殖することによって関節内に慢性の炎症を生じる疾患で、進行すると関節が破壊され様々な程度の機能障害を引き起こします。関節症状に加えて貧血や微熱、全身倦怠感などの全身症状を合併することもあります。


最初は両方の手や足の指の関節が対称的に腫れて、とくに朝、こわばるようになります。また、人によっては膝関節や股関節など大きな関節にも病変が進み、水が溜まり、動きにくくなり、痛みのために日常生活に困難をおぼえるようになります。どの年代でも起りますが、特に30~40歳代の女性に多く発症します。軽症の人もいれば重症の人もいて症状も多彩です。


関節リウマチは、関節だけの病気ではなく全身病ですので、貧血症状が出たり、体がだるくなったり、微熱が出ることもあり、こうなると症状が悪化します。全身の関節に進行していく病型の患者さんの場合、指や手首の関節が破壊され、指が短くなったり、関節が脱臼して強く変形することがあります。足の指にも変形が起ります。全身の関節に進行していく病型の患者さんの場合、一番怖いのは、首の一番上の部分で背骨が前にずれてしまい、脊髄が圧迫され、手足が麻痺したり、呼吸がしにくくなる場合があることです。

原因や病態

遺伝的要因や細菌・ウイルスの感染などが考えられていますが、原因はまだよくわかっていません。


関節リウマチの病態は、自己免疫疾患と考えられています。自分の身体の一部を自分のものではないとして、これに対する抗体をつくって反応を起こしてしまい、このために関節液をつくる滑膜という組織にリンパ系細胞が集まって反応がおこります。そして、滑膜は様々な破壊物質の産生工場となって、次第に自分の軟骨や骨を破壊してゆきます。重症の場合には、関節は固まったり、逆にゆるんで大きく変形したりします。そして最終的に関節が破壊されつくすと、変形を残して炎症はおさまります。

治療とリハビリ

 関節リウマチでは早期の治療が大切です。治療は薬物療法が基本であり、抗リウマチ剤と非ステロイド性消炎剤を基本として、症例によってはステロイド剤、免疫抑制剤、生物学的製剤が用いられます。補助療法として、ステロイド剤やヒアルロン酸製剤の関節内注射が行われることもあります。リハビリテーション・理学療法も有効です。


 手や足の周囲だけで比較的軽く経過する場合が多いのですが、長い間に全身の関節に炎症が進み、最後には関節やときには背骨の手術が必要になる場合もあります。また、指の仲筋腱が断裂して手術が必要になることもあります。


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