筋肉痛はなぜ起こる?

2015/06/07

 筋肉痛は運動によって引き起こされた筋肉の痛みです。一般的に運動した翌日以降に筋肉が痛む「遅発性筋肉痛」をいいます。例えば、普段まったく運動をしていない人が急にテニスをして、コートで一時間ボールを追ったとします。おそらく、その人は筋肉痛になってしまうでしょう。あるいは、1時間くらいの練習では筋肉痛にならない人が、2時間、3時間とハードな練習をして筋肉に負荷をかければ、やはり筋肉痛になるかもしれません。筋肉にその運動を長くし続けられるだけの耐久性がなかったり、普段よりも大きな負荷がかかったりした場合に、筋肉痛になると考えられます。

 

 では、どのようなメカニズムで、痛みが引き起こされるのでしょうか。まず、負荷をかけたことにより筋線維がミクロの損傷を受けます。それが炎症を引き起こし、痛みの原因になります。筋肉痛が回復すると、傷ついた筋線維は以前より太くなります。つまり、定期的に筋肉が少し痛む程度の負荷をかければ、筋肉は少しずつ鍛えられ、耐久性がつくともいえます。ただし、筋肉痛にならなくても、筋肉は定期的な刺激によって鍛えられていきます。


 痛みが引き起こされるもう1つの原因が、脱水による筋肉内の循環不全です。運動中は、発汗によって水分が失われ、体内の血流が減少します。この血流の減少が酸素不足や代謝産物の蓄積を招き、負荷をかけた部分が凝ったように硬くなってしまいます。それにより、痛みが生じるのです。運動前や運動中、水分を十分に摂取するしかないが、筋肉痛の発症に大きく関わってきます。脱水は筋肉だけでなく、身体全体にも悪影響を及ぼすので、特に夏には注意が必要です。


血液循環をサポートする水分摂取を怠りなく

 筋肉痛の原因となる循環不全を回避するためには、水分の補給が重要。余分な水分は体が調整して排出するため、摂り過ぎの心配よりも不足しているほうが危険です。特に夏場は注意が必要です。「のどが渇いた」と思ったら、すでに体は水分不足の状態。体にきちんと水分を吸収させるためには、一度に大量に水分を摂らず、200ml程度をこまめにゆっくり飲むことが効果的だとされています。飲む物はミネラルウォーターやナトリウムを含むスポーツドリンクなどを。ただし、スポーツドリンクには糖分が多く含まれているので、摂り過ぎには注意が必要です。水分だけでなく、ビタミン類を補給できる柑橘類も摂るよう心がけましょう。さらに過度な運動や慣れない運動をした日は、しっかり睡眠をとることも大事。当たり前のことが、筋肉痛の予防には欠かせないケアなのです。

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