脳卒中のサイン

2016/07/31

 脳卒中とは、脳の血管がつまったり、破れたりして、その先の細胞に栄養が届かなくなって、細胞が死んでしまう病気です。そうなってしまうと急に倒れて意識がなくなったり、半身の麻痺が起きたり、呂律が回らなくなったりする発作が起きます。


どういった症状があるのか?

・痺れ・脱力

顔や右あるいは左の片側の手足の感覚がなくなる(痺れ)、右あるいは左の片側の手足の力がぬけてしまう(脱力、麻痺)が急に出現した場合には脳卒中発作を第一に考える必要があります。例えば、無意識に手にもったものを落としてしまうことや上手に歩けないことで脱力やまひに気付くことがよくあります。


・頭痛・吐き気

頭痛は様々な原因で生じますが。急に生じた頭痛で、特に普段経験したことのない強い痛みの場合には注意です。頭痛が強い場合には頭痛に伴って吐き気(嘔気・嘔吐)を伴う場合が多いです。


・めまい

めまいには回転性めまい(景色がくるくる回って見える)、浮遊感(船に乗ったようにゆらゆらする)などがあります。急に生じためまいでは吐き気(嘔気・嘔吐)を伴うことが多いです。めまいの原因にはいろいろあり、脳卒中が原因の場合は一部です。しかし、急に生じためまいでは脳卒中が原因である可能性があります。特に、手足のしびれや脱力、物が二重に見えるなどの症状を伴っている場合にはめまいの症状が軽微でも注意が必要です。


・意識消失

 急に目の前が真っ暗になり、気を失った場合には脳と心臓の両方に原因がある可能性があります。脳に原因がある場合では頚部や頭蓋内の太い血管が細くなったための脳貧血で生じる場合があります。心臓に原因がある場合には不整脈(脈の乱れ)にて生じる場合があります。


・言語障害

言語障害には次の2通りがあります。


失語症

大脳の言語中枢の障害によるもので、話し掛けられても理解できない(感覚性失語)場合と思ったことを言えない(運動性失語)場合、さらにどちらもできない場合があります。症状の出方は障害の広がりによって違ってきます。


構語障害

舌や口の周りの筋肉の麻痺によって呂律が回らなくなることです。言葉の内容や理解力は障害されません。


・複視(物が二つに見える)

片目ずつではちゃんと見えるが、両目で見るとものがだぶって二つに見えるということが急に生じた場合には、眼科的な病気よりは脳卒中など脳に原因がある場合が多いようです。


・物が見えにくい

視野(視界)の半分が急に見えにくくなる(視野障害)や急に片側の目が真っ暗になり見えなくなる(黒内障)場合には脳卒中が原因である場合があります。


・記憶障害(物忘れ)

記憶障害は認知症などで生じますが、脳血管病変や脳卒中による記憶障害の中には適切な治療で治ることあります。最近(特に数時間以内)の出来事など新しいことが覚えられなくなり、同じことを何度も繰り返し聞くなどの物忘れが急に生じた場合には脳卒中が原因であることがあります。


予防はどうすればよいのか?

予防方法は様々あるますが運動も大切な予防法のひとつです。運動は内臓脂肪を燃やし、血糖値や中性脂肪値を下げ、血圧を下げる効果があります。さらに、善玉コレステロールであるHDLコレステロールを高める働きもあります(米国の研究者は、運動習慣のある人は運動習慣のない人に比べて脳梗塞の発症危険度が4割未満であると報告しています。またこの研究では、一週間の運動時間の合計が長ければ長いほど脳梗塞発症危険度が低いという結果になっています)。種目としては、歩行、ジョギング、水中歩行、水泳などの有酸素運動がおすすめです。


arucoではと筋力をつけるトレーニングも行っておりますが、先ほど述べた歩行やジョギングのように有酸素運動も多く取り入れております。脳卒中の発症リスクは誰にでもあり、毎日の習慣が大切になっています。自宅にこもりがちであったり、運動習慣のない方がいらっしゃいましたらぜひご相談ください。

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