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身体とアルコール
2017/04/09
春は歓迎会などでお酒を飲む機会が多いと思いますが、今回は飲酒について掲載させていただきます。
飲酒をしてはいけない状態
1. 未成年者
・脳や臓器への影響
注意力や記憶力、判断力や意欲の低下につながる。
・急性アルコール中毒の危険性
未成年者は、成人よりも肝臓のアルコール分解能力が低い。
・アルコール依存症の危険性
アルコール依存症になるリスクは、飲酒開始年齢が早いほど高い。
2. 運転する場合
動体視力が落ちて判断力が鈍り反応が遅くなったり、運動機能が低下してブレーキやハンドル操作が遅れたりするため、交通事故を起こす可能性が高くなる。
3. 妊婦
妊娠中にお酒を飲むと、胎盤を通してお腹の赤ちゃんもお酒を飲んだ状態になり、場合によっては、「胎児性アルコール症候群(FAS)」を引き起こすことがある。
4. 一気飲み
肝臓での分解が追いつかず、急性アルコール中毒になる危険。
5. スポーツ・入浴
飲酒の直後にスポーツや入浴は体に負担をかける。肝臓に集まる血液の量が少なくなるために、アルコールの分解が遅れる。
急性アルコール中毒
短時間に大量のアルコールを摂取した場合、肝臓での代謝が追いつかず、アルコール血中濃度が急速に上昇。その結果、意識がなくなったり、呼吸筋が麻痺したりして、死に至る危険性がある。これが急性アルコール中毒。
もしも周りの人が急性アルコール中毒になった場合…
①救急車を呼び、病院で処置する。
②体温が低下しないように毛布を掛けて保温する。
③吐しゃ物によって窒息しないように横向きに寝かせる。
飲酒の適量は?
適度な飲酒は疲れを癒し、血液の循環をよくする。
【目安】
日本酒 15% 180ml
焼酎 20% 100ml
ビール 5%
500ml
ウイスキー 40%
60ml
ワイン 12% 200ml
アルコール度数の高いお酒は、ストレートより水割りや炭酸割りなど薄めて飲むのがおすすめ。
二日酔い
二日酔いの時は、アルコールが分解され、アセトアルデヒドが作られている最中。このアセトアルデヒドによって頭痛や吐き気の症状が現れる。迎え酒をすると、アルコールの影響で身体が麻痺し、二日酔いが治ったような感覚になるが、迎え酒をして二日酔いが治るということはありません。むしろ肝臓に余計な負担をかけてしまいます。
お酒と食事
空腹でお酒を飲むと…
アルコールがすぐに吸収され急性アルコール中毒になりやすい
食べながら飲むと…
胃の粘膜の上に食べ物の層ができるので胃が守られる。
ゆっくり吸収され、肝臓への負担も少ない。
アルコールの代謝
吸収
アルコールは胃で20%、小腸で80%が吸収され、血液によって肝臓に運ばれる。
肝臓の働き
肝臓に運ばれたアルコールはアルコール脱水素酵素(ADH)によってアセトアルデヒドに変わります。さらにアルデビド脱水素酵素(ALDH)の働きでアセトアルデヒドは酢酸に、さらに水と炭酸ガスに分解されます。
排出
分解された水と炭酸ガスは、体外へ排出されます。肝臓で処理されなかったアルコールは汗、尿、呼気となって排出されます。
お酒は百薬の長
ストレスの緩和や食欲増進に効果を発揮するため、健康にプラスに働き、寿命の延長にもつながると疫学的研究で認められています。お酒を全く飲まない人に比べて、適量のお酒を飲む人の方が、全死亡率が低い。適量を超えてお酒を飲むと、全死亡率が急激に上がる。
「酒は百薬の長」と言われていますが、それはあくまで適量の範囲内の話で適度に飲むのがよいと言えるでしょう。