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長時間歩くことができない病気
2017/05/07
このような状態になる病態は様々ありますが、その一つとして閉塞性動脈硬化症があります。これは動脈硬化が原因で、四肢(主に下肢)の血流障害を来すものをいいます。主に50~60歳以降の男性に発症します。
閉塞性動脈硬化症のある人は、下肢の動脈だけでなく、全身の血管にも動脈硬化を来している場合が少なくありません。冠動脈疾患の合併が3割の人で、脳血管障害の合併が2割の人で認められます。
原因
糖尿病、高血圧、脂質異常症、喫煙などの動脈硬化の危険因子をもっている人がかかりやすくなります。食生活やライフスタイルの欧米化により、動脈硬化を基盤とする閉塞性動脈硬化症が急速に増えています。
初期症状
初期の症状は、下肢の冷感や痺れです。進行すると、ある一定の距離を歩くとふくらはぎや太ももが重くなってきたり、痛みを感じるようになります。ひと休みするとおさまり、再び歩くことができます(間欠性(かんけつせい)跛行(はこう))。さらに、安静時にも痛みが現れるようになり、靴ずれなどがきっかけで足に潰瘍ができ、時には壊死えしに至ります。まずは、動脈硬化の危険因子である糖尿病、高血圧、脂質異常症の治療を行うことです。また、禁煙はとくに重要です。歩くことにより側副血行路が発達し血行が改善するため、足の症状が出るまでは、休みながらも繰り返し歩くように心がけます。
寒冷刺激は足の血管をさらに収縮させ、血液の循環を悪くさせます。そのため、靴下、毛布などを使って保温に努めます。入浴も血行の改善に役立ちます。足はいつも清潔にしておきます。爪を切る際は深爪をしないようにし、靴も足先のきつくないものを選ぶようにします。
治療
初期の冷感や痺れに対しては、血管を拡げる薬や血液を固まりにくくする薬を用います。足の痛みが強い場合には、バイパス手術や狭くなった動脈に風船やステント付きのカテーテルを挿入してふくらませる治療を行います。さらに重症になり壊死が進行した場合は、足の切断が必要になることがあります。リハビリでは重症でなければ、側副血行路の発達を促すような運動や拘縮・変形予防を目的とした関節可動域運動やストレッチ, 非虚血筋に対する筋力トレーニングなどが行われています。
閉塞性動脈硬化症の方は長く歩けない、痛みがあるからと自宅から動かず、閉じこもりがちになりやすいです。これでは症状悪化やその他の身体機能低下を招く恐れがあります。arucoではこのような方に対しても運動量を調節しながら、可能な限り身体機能を高めるようリハビリを提供しております。