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認知症と運動の関係とは。。。
2018/12/23
今回のブログでは、認知症と運動の関係についてお伝えいたします。
日本では認知症高齢者の数は増加し、その治療や介護が重要な問題となっています。
高齢者社会の進行とともに認知症の発症および進行を遅らせる治療戦略が必要となっています。
そこで、運動が注目されているという訳であります。
①認知症の前段階
認知症ではないが軽度な認知機能の低下を有する状態は、軽度認知障害と呼ばれております。
地域に在住する高齢者を対象とした大規模疫学研究では、軽度認知障害の有症率は概ね5~7% とされています。
この軽度認知障害 は、認知症に移行する危険性が高い反面、正常の認知機能に回復する場合もあり、認知症予防を積極的に推進すべき状態と考えられます。
たとえば,健忘型軽度認知障害高齢者の半数,および記憶以外の認知機能にも問題を持つ軽度認知障害高齢者の3分の2が、3年間の追跡期間中にアルツハイマー病へ移行し、心理的問題を合併した場合にはさらに高い移行率を示しています。
一方、38.5%の高齢者は、5年後軽度認知障害に正常な認知機能へと回復するとした報告もあり、認知症を予防するためには、軽度認知障害から脱却するための取り組みが重要です。
②運動と認知症の関係
1996年から2007年までに発表された文献で、運動および身体活動が認知症およびアルツハイマー病発症に関する報告の中で、長期疫学研究では身体活動および運動が認知機能低下および認知症の発症に対して防御的な効果があることを報告しています。
運動が認知機能に対して良好な影響を及ぼすメカニズムとして、動物実験からの知見を中心に、神経炎症の減少、血管新生、神経内分泌反応などが示唆されています。
また、近年のヒトを対象とした研究では、1年間の有酸素運動の実施により記憶を司る海馬の容量が増加したと報告されています。
これは有酸素運動によってもたらされた血管の新生や脳血流量の増大などが影響しているものと考えられています。
③これからの認知症のリハビリ
現在、認知症のガイドラインには運動を行うことでの認知機能向上の効果があるとは記載されておらず、廃用予防や残存機能維持のためだけのものとなっております。
様々な論文などでその有効性は示されており、認知症の方に対しての運動効果は明らかです。
今後、認知症に対してのリハビリテーションの重要性が世間一般に浸透してくることが期待されています。
まずは薬物療法だけではなく、活動できる環境を整えていくことが重要です。
そのため、これからリハビリを受けたいという方やご家族の方がいらっしゃれば、一度arucoまでご相談ください。見学もお待ちしております!!