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運動するときは必ず水分補給を!
2019/08/5
運動中の心臓の事故に血栓があり、水分摂取によってヘマトクリット値を下げると血液粘度が低下して血栓症発症の予防になると考えられています。また、水分摂取は熱中症予防からも重要で、心疾患患者は健常人よりも環境への順応性が弱いものと考え、特に環境温度が28度を超える状況では必ず事前に水分摂取をすすめるべきです。
運動中の血液濃縮機序
運動中、血液は濃縮します。その一つの機序は、交感神経が活性化して皮下および肝臓、脾臓の血管が収縮するため、プールされていた血球成分が血流中に流出して血中ヘマトクリットが上昇するというものです。この機序による血液濃縮は、運動持続時間が短時間でも運動強度が高ければ発生します。水分補給による予防効果は期待出来ません。
もう一つの機序は、長時間の運動に伴う発汗による血液濃縮で、いわゆる脱水と呼ばれるものです。通常、30分近くにわたる運動後に生じ、水分補給が予防効果を発揮します。
血小板も運動中増加します。運動強度が強い場合に増加するが、脾摘後の患者でも増加することから肺血管床由来と考えられている。血小板の増加に対して運動前の水分摂取が影響を及ぼすという報告はありません。
熱中症と水分摂取
水分摂取は、熱中症予防の観点からも重要です。特に心疾患がある方などは健常人よりも環境への順応性が弱いものと考えて、十分な準備が必要です。環境温度が28℃を超える状況で運動を行う場合には、必ず水分を事前に摂取するようにすすめるべきです。可能であれば、運動を開始する数時間前に体重1kgあたり5~7mLの水分を摂っていただき、その後の排尿により体内水分環境が一定になるように準備していくべきです。水温は15~21℃にするとよいです。運動持続時間が1時間以上に及ぶ場合には、運動中に水分を補給して運動療法後に体重が2%以上減少しないようにするべきです。特に大量の発汗が認められた場合にはNa等の電解質も摂取させるとよいです。糖質は電解質の吸収効率を高めるとともに運動能力を上げるため、同時に摂取するとよいです。どの程度が必要かは、運動の強度、持続時間、環境温度等により異なります。また、過剰な塩分摂取は心臓の負担を増大させるため、心疾患を罹患されている場合は注意が必要です。
arucoは運動の合間に適宜水分補給をするよう声掛けを行っており、利用者様の水分補給の意識も高いです。これからどんどん暑くなってきますが、事故なくサービス提供するためにも運動前に適切な水分補給をすすめることが大切です。